日時:2010年11月13日(土)14:00-17:00場所:南山中学・高等学校男子部演題:学習者のモデルとしての英語発音講師:長久保礼一(南山中学・高等学校男子部)/蔭山悦子(ESKアカデミー理事長) 概要:本研修会は2部構成で3時間を予定している。前半に長久保が「世界の英語の変化と教育目標としての英語発音-日本人英語でいいの?」と題して話をすすめたい。英語のグローバル化によって標準英語とは対極にある様々なEnglishesが発言権をもつようになった。このような流れの中でJennifer Jenkins氏やLarry Smith氏のようなネイティブの英語学者までもがお国訛りの英語を容認する発言をしている。彼らの主張が正当性をもつなら、いわゆるJaplishも教室で歓迎されることになる。しかし、このような動きには冷静になるべきではないだろうか。学校英語の目標は、英語であれ米語であれ、ネイティブの英語でなくてはならない。その理由については、音声と映像で紹介しながら、優れた日本人の英語を通して研修会の中で伝えていく。後半は、ネイティブの音を学校現場で教える際のテクニックを学習する。講師には蔭山悦子先生をお招きして、今回は母音に焦点を絞って1つ1つの音をどのように学習者に伝えたらよいのかを実践を交えながら教えていただく。

日時:2010年11月19日(金)17:00-18:30場所:南山中学・高等学校男子部演題:書けそうで書けないNativeの英語とコーパス講師:滝沢直宏先生(名古屋大学国際開発研究科教授)概要:英語には、読めばすぐに自信をもって解釈できても、いざ自分で使うとなるとなかなか使えない表現が多々あります。読書をする際に、そのような「書けそうで書けないNativeの英語」に注目することは、英語力の向上にとって肝要だと考えます。講演では、比較的平易な英文の中から有益な表現を見付け出し、それを基にしてどのようなコーパス検索を行うと英作文上、有益なのかを具体例を交えてお話ししたいと思います。

講師:伊藤佳貴(大同大学大同高等学校)演題:マルチメディア入門講座日時:2010年10月23日(土)14:00~17:00場所:大同大学大同高等学校概要: 本研修は、パソコンを活用した英語教材の作成や編集、または教材の分析について、その基本的な技術を習得するための入門講座である。本研修の対象は、ワープロやインターネットといったパソコンの基本操作ができる方を想定しているが、数名のアシスタントを配置するため、パソコン操作に不慣れな受講者も大いに歓迎したい。具体的な研修内容は次の通りである。 研修前半では、教科書もしくはインターネット上にある海外のウエブサイトを活用した英語教材の作成方法について取り扱う。幾つかの例を紹介しながら、受講者は実際に教材作成の演習を行う。そして後半では、「コンコーダンサー」を初めて使われる方を対象とした講座を行う。コンコーダンサーとは、コーパス(英語の文字データ)を分析するためのソフトウエアのことである。研修では、ソフトを実際に動かしながら、教材の語彙リスト作成、語彙分析による教材の難易度測定、コロケーション検索などについて、演習を交えながら解説する。 なお、本研修は実習形式のため、定員は先着40名とする。また参会者は、研修で行ったデータを持ち帰ることができるようUSBメモリスティックを持参されることを薦める。

日時:2010年10月8日(金)17:00-19:00会場:南山中学高校男子部(地下鉄いりなか駅下車5分)講師:本名信行氏演題:中学校や高等学校で「国際語としての英語」にどう向かい合うのか?本名信行氏プロフィール:青山学院大学国際政治経済学部教授を経て、現在同大学名誉教授。同大学総合研究所客員研究員。研究分野は、「国際言語としての英語」、言語政策、異文化間リテラシー、言語意識論、国際言語管理論、非言語伝達、手話コミュニケーションなど。日本「アジア英語」学会会長(2000-2009)、国際異文化間コミュニケーション研究学会(IAICS)会長(2007-2009)、中央教育審議会外国語専門委員(2003~2010)などを歴任。Asian Englishes(ALC Press, Inc.)編集長(1999-) のほか、World Englishes(Blackwell) (2006~)、English Today (Cambridge University Press) (2008~)などの編集委員。著書に『世界の英語を歩く』(集英社新書、2003)、『英語はアジアを結ぶ』(玉川大学出版部、2006)、English as a Multicultural Language in Asia(くろしお出版、2008)など。

日時:2010年6月25日(金)16:30-18:00会場:南山高等学校男子部 名古屋市昭和区五軒家町6演題:言葉遊びから読み解く「ハリー・ポッターシリーズ」の真相講師:山田正人先生(春日丘高等学校)要旨:現在では、世界中の人々が「ハリー・ポッターシリーズ」の魔法にかかっています。そしてその威力ほどは、シリーズ全てが日本語を含む60を超える言語に翻訳されている事実を見れば明らかなことでしょう。しかし同シリーズの真相は、オリジナル版(英国版)でしか読み取ることが出来ないと私は信じて疑いません。そこで今回は「言葉遊びから読み解くハリー・ポッターシリーズの真相」と銘打ち、拙論をご披露したいと思います。

日時:2010年3月5日(金)16:30-18:30会場:所 名古屋大谷高等学校演題:「私の授業お見せします!」講師:伊藤佳貴(大同大学大同高校)   糟屋 徹(南山高校女子部)   長久保礼一(南山高校男子部)   山内義之(名古屋大谷高校)内容:【発 表 者】 伊藤佳貴(大同大学大同高等学校)【発表題目】 「英語で行う英語授業の実践」【発表概要】 本発表は、オールイングリッシュによる英語授業の実践報告である。授業成立のための第一歩は、生徒が主体的に授業に参加でき、生徒から多くの発話を引き出すことのできる環境を作ることであるが、オールイングリッシュの授業では、この一歩が想像以上に大きく困難なものであることが分かる。発表者は、この課題を克服するための具体的な方策として、以下の2つの取り組みを行っている。 ① 本文に関連した補足的物語を作成する。 ② 本文や補足的物語の理解を促すために、イラストレーションを活用する。 発表では、実際の教材を用いながら、授業内容の紹介を行う。そして、実践を通して得られた指導上の留意点や、今後の課題などについて考察する。 【発 表 者】 糟屋 徹(南山高等学校女子部)【発表題目】 「音読指導のアラカルト」【発表概要】実技科目である英語の授業において根幹となるべき音読指導の実践例と教材紹介を行います。 教員はみな、語学の習得に必要なものはrepetitionとexposureだとは体験的に理解していても、授業と学習指導のなかで十分にそれらを生徒に獲得させられていないことが多いのではないでしょうか。生徒を飽きさせず繰り返し音読させるためには、どのようにテキストを料理し、活動にバリエーションを持たせるかが鍵となります。短い発表時間ではありますが、できるだけ様々な活動例を見ていただき、ご意見を聞かせていただいてより良いものにしていけたらと考えています。 【発表者3】 長久保礼一(南山高等学校男子部)【発表題目】 「英字新聞を活用する授業例」【発表概要】本発表では、英字新聞を授業で活用した実践報告をする。英字新聞には、紙面の構成、見出しの文法、box photoの言葉遊びなど独特のスタイルがある。発表者のアプローチは記事を読む前の英字新聞の特徴を理解することに重点をおく。というのは、記事そのものを楽しむ前に英字新聞の特徴を知ることで生徒の自立した英語学習につながるからである。主に3点のことを報告する。1点目として英字新聞の特徴の理解をどのように教えているのか。2点目としてどんな記事をどのように授業で読んでいるのか。3点目としてテストでどのように評価するのか。研究会参加者の先生方で英字新聞を授業で活用されている先生方と情報の共有を図りたい。 【発表者4】 山内義之(名古屋大谷高等学校)【発表題目】 「プレゼンテーションソフトを使用した授業研究」【発表概要】 本発表では、プレゼンテーションソフトを使用した授業実験の報告をしたい。英語学習においてプレゼンテーションソフトを使用する利点は以下のように挙げられている。 ①視覚的アプローチが強い ②同内容を比較的等質に繰り返すことができる。 ③音声面も内容に取り込みやすい。 ただし、学校設備への対応の問題や、生徒の授業参加の難しさなどの問題点も多く指摘されている。 そこで発表は以上の点をふまえて、英語学習の強化に有効なプレゼンテーションソフトの利用法について考えるきっかけにしたいと考える。